管理職の心得(マインド編)
なかなか筆が進まないので、途中でも公開することにして、気楽に書いていこうと思う。
役割
管理の心得
指示の心得
育成の心得
部下、後進の育成は「本人の持っている潜在的な才覚の発現を如何に阻害しないか」というのが重要な観点となる。育成を施す側の職能理解の狭さ/浅さや人格的な未熟さが主たる阻害要因になってしまう。
自身で職能の探究を続けることをやめて後進の育成の専業に切り替えるのは、自身が至った地点までに獲得した理解や尺度を元にしたものに留まり易いと思う。勿論それ自体価値はあるし、そうした限界を超克する個人の存在は否定しないのだけど。
というわけで、自分が最高の仕事をしているという自覚を持ち、そして自分は価値あるものを提供できる人間だと信じてそれに見合う努力を継続することが大切になる。
マネジメントの心得
色々考えた結果、マネジメントは職位毎に求められるものは異なっているし、その目的によっても方法は異なるので、まずはその共通点を見出して記述してみる。
- 納得感を持たせる
- 心理的安全性を育む
- 責任感を持たせる
- 経営者の考え方を学んで活かす
等等、HowTo本で言われている言葉を並び立てることができるが、これらを以て何を成すかを考えていくと、信頼関係が不可欠なのではないかと考えている。
上記を以て信頼関係があれば、チームとしての機能が最大限働くことができると現時点では信じている。各々が最大のパフォーマンスを発揮するために信頼関係を持って責任ある仕事に臨むことができるよう、管理していくのが我々の役目である。
※管理者は管理するのが仕事であって、部下を手伝うのが仕事ではない
※ここで間違ってはいけないのはマネジメントは手段であって、目的ではないということです。ともすればマネジメントが目的化してしまう人もいるが、自分が何を達成したいのか、改めて考えて欲しい。
マネジメントの技術に関するアドバイスというのは、するのもされるのも非常に厄介で、それぞれが持っている資質と価値観のバラつきが大きいのでそもそも他人から受けたアドバイスをそのまま自分の状況に適用するのが難しい。
責任の心得
「責任」や「責任感」というといきなり曖昧になるけど、もちろん法的責任ではなく、自分の干渉の帰結に対する道義的責任を意味している。
責任感はどうしたら養われるか。
信じるから責任ある仕事を任せるし、その逆、責任ある仕事をすることによって信頼も増してくる。これらは相互作用する。なので最初から責任感のある人間はいない。根気強く見守ろう。そしてこれらを正しく感じるには、自分の価値を低く見積もらないとか、そこから敷衍して、相手の人格と人生を同等に尊いものと想像できるとか、が必要になると思っている。
「自分の提言の結果、相手が判断を誤るかもしれない」という恐怖感が自律的な学びを駆動させると信じて、経験の場と学びの機会を用意する。
部下たちが自分で課題を設定し意図的にチャレンジをして、現実に要求されるものの幅に対して手持ちの技術レベルのバラつきとその結果の乖離によって課題が表層に浮かぶので、フィードバックを行う。
注意しないと見てる側も試行の背景にある意図に気付かず雑にフィードバックしてしまいかねないので、気を付けること。
この繰り返しで責任感は養われていく。
(話す技術だけ上達するというパターンもありそうで、悩みが深い)
技術磨きの心得①
基本的なスキルセットが荒削りながら一通り身に付いたら、そこから先、個々の技術を洗練するのにも、文脈に適した技術を動員するのにも、自分の責任で発言する経験が一番効くと思っている。
上司に怒られるとかお客様に見切られるとかではなく、自分の提言の結果お客様が判断を誤るかもしれない、と想像するようになると、個々の技術もそれらの動員も飛躍的に洗練される。
技術が成熟してからやるべきだと謙虚な勘違いをしていると、いつまでも技術が成熟し切らないという悲しい事態になる。そしてその状態を放置すると、外部から与えられる品質基準(上司やお客様の反応)を当たり前のものとして、そっちを向いて仕事をする癖がつくという更に悲しい事態になる。
技術磨きの心得②
以下のサイクルを回せるかを見る。
- 具体的に想像した上で
- それを変数の組み合わせと捉え直して抽象化し
- 支配的な変数に絞り込んでモデル化し
- また具体的に想像する。
大抵①ができないし、そこをクリアしても殆どの人が②ができない。決まった手順を踏んでいるかを見ている訳ではなく、ある程度の思考の癖は許容しつつ、与えられたテーマに対して本質的に考える姿勢があるかを問う。
思考の技術はいくらでも洗練できるし、業務でのパフォーマンスがかなりの程度定型的な情報処理の型への習熟に依存していることを踏まえても採用の時点で完成した思考プロセスを持っていることを問う意味は薄いと思っている。一方、問いに向き合って「真っ当に考える」姿勢は矯正が効きにくいので問う。
評価の心得①
価値基準を所与として、つまり問題を外部から与えられるものとしてその解決だけを自分の役割と見做して仕事をすると(物理と資源制約によって解決性は上限が決まっているから)爆死する可能性が阿呆みたいに高くなる。
それを避けるには、自分自身で価値基準を持ち込んで問題を特定することをしなければならない。これはマッチポンプになれということではなく、プロダクトを作れということになる訳だが、プロダクトを築くと同時に幅広い事象に対応出来なければならないので勉強が大事だ。
評価の心得②
部下の評価シートについては、規律を緩めないと達成できないという事態を招く場合、修正を行うと関係者の幸福を犠牲にする結果を生むことが多いので注意が必要。
バランスよく、評価軸を作ろう。
自身の態度の心得
チームの成長に合わせて、自分の行動を変える。
自分が完璧ではないことを認め、学び続ける。
自分が最高の仕事をしているという自覚を持つこと。
そして自分は価値あるものを提供できる人間だと信じてそれに見合う努力をすること。
何をどこまで取り組むか
何にどこまで取り組むかを自律的に決めることが出来る立場になると、完了基準を定義することが如何に困難かを実感づる。許されるのであれば、自分が関わる全ての人の行く末まで見届けたいが、そんなことは現実的には叶わない。正しく終わらせることが必要である。
心の持ち様
続く。